【No.303】そろり日銀マイナス解除か…米金利据置来年3回利下げ…円140円台へ

マイナス金利解除の機が熟してきた。2%物価目標は3年連続の達成がみこまれ、次の春闘の賃上率も30年ぶりとなった今春並みとの見方がある。利上げならば17年ぶりだが、かってのようにすぐに金融緩和に逆戻りしないか、日本経済の基礎体力が試される。金融正常化へ日銀がマイナス金利解除への布石を打ち始めた。6日金融経済懇談会で氷見副総裁は日銀が金融正常化に踏み切った際の経済への悪影響は比較的少ないとの見方をしめし、「状況をよく見極めて出口のタイミングや進め方を適切に判断する」と述べた。他の委員からも物価・賃上げ動向への評価が前向きに変わりつつあるなか、市場は2024年前半にも日銀がマイナス金利を解除するとの観測が広がっている。物価も上がり賃金も上がる好循環の入り口に立った日本経済が「金利のある世界」に進むか。日銀の金融政策は重要な局面に入った。

米連邦準備理事会(FRB)は13日の米連邦公開委員会(FOMC) で政策金利を3会合連続据え置いた。参加者は同時に公表した経済見通しで2024年に3回分の利下げを予想した。パウエル議長は追加利上げの議論でなく「いつ金融引き締めを縮小するかを話した」と明かした。また同議長は足元でインフレ率の鈍化傾向を「非常に良いニュースだ」と歓迎した上で「政策金利は引き締め局面のピークに達しているか、それに近い水準にある」と述べた。政策議論の中心が利上げから利下げ移ったことをうかがわせた。経済見通しでは2024年末の政策金利が参加者の中央値で4.6%となった。通常の利上げ幅である0.25%で3回分になる。9月の公表した前回の見通しでの利下げは2回分だった。FRBは景気後退に陥らない程度に経済成長を減速させて目標の2%まで物価上昇を抑えるソフトランディングを想定している。今回も経済成長率や物価の見通しは大きく変更しなかった。24年10~12月期の成長率を(前年同期比)は1.4%と巡行速度の1.8%に近い水準を予想した。23年11月3.7%となった失業率も24年末時点で4.1%までの上昇に留まるとした。またFRBが重視する個人消費支出(PCE9物価指数に上昇率は24年末に2.4%、25年末に2.1%と。それぞれ前回見通しから0.Ⅰ㌽下方修正した。足元の鈍化傾向を反映して23年末の見通しは2.8%と0.5㌽の大幅な下方修正となったが、先行きの慎重な見方は維持した。2022年10月から始まった利上げは1980年代以降で最も急速なペースで、長く続いた低金利時代からの変化は初めてのケースとなる。利上げの効果は遅れて経済に浸透するため、現時点での影響は読みづらい。パウエル議長は会見で「勝利宣言には早すぎる」と慎重な姿勢を示した。FRBは24年も景気後退とインフレの高止まりという両サイドのリスクをかけたままの難路を歩むことになる。

米政策金利の水準を巡りFRB と市場の見通しにはズレが生じている。FRBの2024年3回の利下げを見通を示したが、市場は中銀の想定をさらに上回る利下げの折り込みを進め、13日に米株式相場はダウ3万7090㌦約二年ぶり最高値を更新した。経済の軟着陸を期待した楽観相場だが一段高になるには課題も横たわる。
パウエル議長はインフレが完全に落ち着かなくても早めに利下げを開始するとの柔軟姿勢を示し、インフレが収まるまでは利下げをしないと繰り返していた従来の姿勢を一転して市場に驚きを与えた。外国為替市場の関係者は米連邦公開市場委員会(FOMC)とパウエル議長記者会見は、金融引締めに消極的なハト派よりの内容と受け止められ、外国為替市場では14日に円高・ドル安が急速に進んだ。東京為替市場でも円相場は一時1㌦140円後半と7月以来高値を付けた。縮小した日米金利差を考慮ると円相場適正水準は140円近辺との指摘がある。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野氏は「米長期金利が1%下がると。対ドル円相場は10円下がる傾向がある」と指摘し、米利下げが本格的に開始されれば、来年前半に130円台をつける可能性があると見ている。日米金利差縮小による円高はポジションの巻き戻しによるもの。外国為替市場は来年6回の利下げをフルに織り込んでおり円高への動きから目が離せない。

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